電子竹林:Blog

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「1917 命をかけた伝令」-1917-

サム・メンデス監督、ロジャー・ディーキンス撮影。1917年4月、第一次世界大戦のフランス西部戦線。連合国・英国軍のスコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)の二人は、エリンモア将軍(コリン・ファース)からの命令を受け前線へ向かう。メッセージを届ける先は、1600人のデヴォンシャー連隊のマッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)であり、そこにはブレイクの兄もいた…。ワンカットの色物、そんなのでアカデミー賞なのかと思っていたが、実際に見てやっと凄さが分かった。二人の伝令だけをひたすら追いながらの展開。それでもスピード感あり、メリハリあり、ドラマ性も強い。緩急あるエピソードが巧みで魂が揺さぶられるよう。単にスティディカムで追いかけた映像でもなく、カメラがどう使って動いているいるのかまったくわからないトコが何箇所か。カメラはARRIが新規開発したALEXA Mini LFみたい。最近では「ウトヤ島、7月22日」もワンカットだがレベルが違う撮影技術。何しろ見やすいのに臨場感があるという事に驚く。フォーカスコントロールも綺麗にしつつフレームも最適なところに収めている。ライティングもアベイラブルかと最初は思ったが、かなり綿密にコントロールされてる。とくに夜のシーン、あそこの美しく恐ろしい陰影の作り方には心底、感動した。しかしカットの繋ぎ方はヒッチの「ロープ」の時代とあまり変わらない所にホッとしたりもする。1917年というだけでドコとドコがドコで戦っているのか説明なしで始まるが、これを機会に「西部戦線異常なし」も観て欲しいもんだなあ

https://1917-movie.jp/