電子竹林:Blog

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「ベル・エポックでもう一度」-La Belle Epoque-

ニコラ・ブドス監督。昔は人気イラストレータだったヴィクトル(ダニエル・オートゥイユ)も、今は妻マリアンヌ(ファニー・アルダン)からも見放された日々。息子は父を勇気づけようと、親友アントワーヌ(ギョーム・カネ)が始めた“タイムトラベルサービス”をプレゼントする。ヴィクトルは、指定した1974年5月16日のリヨンのカフェそのままのセットで運命の女性と出会うが、それはアントワーヌの恋人マルゴ(ドリア・ティリエ)だった…。過去を体験するサービス、って今時ならVRなどSF的にやりそうなのをセットでやるってアナログさが、映画向きな設定で面白い。五月革命から6年後、1974年のリヨンの自由な雰囲気はいいし、恋愛関係が二重に複雑に絡んだ構成もなかなか面白い。フランス映画っぽいかも。熟年夫婦という共通点はあるが「幸せの答え合わせ」とはかなり違う。劇中曲「誘惑のブギー」 Yes Sir, I can Boogie (BACCARA)はディスコブームの頃だから、もうちょっと後の曲じゃないの?? と思って帰ってから調べたが1977年だった。まあ、細かいとこなのか。1974年5月16日ってなんでもない日に思えるが、ポンピドゥーの後任を決める大統領選の、第一投票日がジスカール・デスタンが首位、ジスカール・デスタンと左翼統一候補ミッテランの第二投票日によりミッテランが勝つ三日前、という象徴的な時なのかも。

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