電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1999-08-02から1日間の記事一覧

「田舎暮らしをしてみれば」

林えり子 集英社文庫。香港旅行の途中で読む。生っ粋の江戸っ子の著者が、田舎が欲しいという思いから、寒村に家を建て、地元に溶け込んでいこうとする顛末。最初の土地に惚れ込んでいく所あたりは面白かったのだけど、後半は人間関係の苦労ばかりで、特に女…

「中国火車旅行」

宮脇俊三、角川文庫。香港旅行中に読む。「時刻表2万キロ」など鉄道紀行の宮脇俊三。旅行中の読書向きかと思って香港で読んだけど、鉄道オタク100%だった(^^;)。北京-広州2313キロ、上海-烏魯木斉(ウルムチ)4079キロ、大連-哈爾浜(ハルビン)944キロ、成都-…

「トイレのない旅」

星野知子、講談社文庫。香港に行く飛行機の中で読む。著者は「なっちゃんの写真館」の星野知子。単なるタレントの旅行エッセイと見くびってはいけない。ドキュメンタリー番組の旅行の話だけど、タイトル通りにかなりのヘビーな旅。ペルー、シベリア、雲南省…

「臓器農場」

帚木蓬生、新潮文庫。「閉鎖病棟」を読んだ勢いで、続いて帚木蓬生を読む。臓器移植をテーマにしている医療サスペンスもの。新任の看護婦の主人公が、無脳症児という言葉を偶然に聞くことから病院の闇の部分の真相を追うことになる。「閉鎖病棟」のヒューマ…

「台湾発見-映画が描く未知の島」

田村志津枝、朝日文庫。香港旅行の途中で読む。1989年田畑書店刊行「スクリーンの向こうに見える台湾」を改訂改題したもの。副題の通り、映画から台湾の歴史を眺めたもので、台湾の複雑な統治の歴史や民族関係を上手くまとめている。統治時代、戦後すぐの映…

「横浜中華街料理長自慢の家庭中華料理」

神奈川新聞社編著、文春文庫ビジュアル版。神奈川新聞に1994年6月から1995年6月まで連載されたもの。香港ではここ数年、家常菜と呼ばれる広東の家庭料理が流行っているけど、この本に出てくる料理もそのような路線。日本人向けの料理が選ばれているし、材料…

「千里眼」

松岡圭祐、小学館。カウンセラー岬美由紀、もと航空自衛隊員が主人公。松岡圭祐のお得意である心理カウンセラーに加えて、ミリタリーサスペンスに、テロ、新興宗教とかなり盛り沢山。しかし、ちょっとやり過ぎで話が広がり過ぎてしまった気がする。「催眠」…

「日本語誤用・慣用小辞典」

国広哲弥 講談社現代新書。「日本語誤用・慣用小辞典」の続編。正編から見ると、多少ネタ切れ君ではあるけれど、結構面白い。

「悪魔は夜はばたく」- The Vision - Dean R.Koontz

ディーン・R・クーンツ、創元推理文庫。クーンツ、1977年の作品。日本での初版は1980年、今回の版は1999年2月は新装版初版となる。クーンツが再注目されているのが判る。追い詰められ射殺された殺人犯が最後に呼んだ名前が、透視能力者のメアリー・バーゲン…

「日本語練習帳」

大野晋、岩波新書。とっくの昔に読んでいたのだけど、感想を書いていなかった…。固い本の割には、これだけベストセラーの上位に長期間入っているのは珍しい限り。内容的にも面白いが、日本語に対する感覚が敏感になるという意味では非常に有益な本だと思う。…

「人はなぜ迷信が気になるのか」

中野宏、KAEWADE夢新書。迷信、その背後に民俗学的な考察を期待していたのだけど、単に迷信の羅列であってそれ以上のものはまったく無い。実に表面的でつまらない。巻末に参考文献の一覧があるけど、これから抜粋しただけで書ける様な本。このKAEWADE夢新書…

「ローズ・マダー」下 - Rose Madder - Stephen King

スティーブン・キング新潮文庫

「ローズ・マダー」上- Rose Madder - Stephen King

スティーブン・キング、新潮文庫。最近のキングらしく、ストーリ的な面白さよりも文章のノリで読ませる。ただ、やはり冗長な感じはいなめない。暴力的な刑事の夫ノーマン、その妻ローズは結婚14年間にして逃げる事を決意する。この追跡劇が、ちょっとクーン…

「旅で眠りたい」

蔵前仁一 新潮文庫。香港旅行中に読む。蔵前仁一が妻の小川京子と共に旅した1989年10月からおよそ一年の旅の記録。東京から鹿児島、沖縄、西表島から台湾の高尾へ入る。船で国外へ出るというのがなかなかいい風情である。さらに台北、香港、タイ、カトマンズ…