電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「ケンブリッジ・クインテット」

ジョン・L・キャスティ、新潮出版。著者はサンタフェ研究所のジョン・L・キャスティ。世界の知を代表する5人、物理学者のC・P・スノウ、哲学者ヴィトゲンシュタイン、遺伝子学者ホールデイン、ノーベル物理学賞シュレディンガー、数学者のチューリング。1949年、スノウが集めたこのメンバーが母校ケンブリッジ大学のクライスト・コレッジに集まり、いかにも英国的なディーナーと共に進む、人工知能の可能性についての議論。内容は初心者向けに判りやすく出来ているけど、名著「ゲーテル、エッシャー、バッハ」をちょっと思い出させる凝った演出で楽しめる。ほとんどは、チューリング人工知能に対する考え方に対して、ヴィトゲンシュタインが感情的に噛み付いていく。ヴィドゲンシュタインは道化師役でちょっと可哀想(^^;)。自分としては自明と思っていたチューリング・テストについて、結構反論があるのは意外だった。2/13にNKH教育TV「未来潮流」で特集が組まれたので、この本を知った。