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「ハリー・ポッターと賢者の石」☆ - Harry Potter and the Philosopher’s Stone - J.K.Rowling

J.K.ローリング 静山社ハリー・ポッターはエリート魔法使いという運命でありながら、人間の中に住んでいる。彼が魔法の学校に入ってから最初の物語。一種の貴種流離譚であると言える。1997年に英国で出版されてから、各国でベストセラーになる。以前にCBSドキュメント(60 minits)で、著者のJ.K.ローリングのインタビューを見てから、ずっとこの本が読んでみたかった。著者が、シングルマザーで生活保護を受けながらの生活、子供を連れてカフェで一人執筆する話、数々の設定やエピソードのメモを段ボールに放り込んで書いていく方法などなど、なかなか面白かった。童話ではあるけど、ストーリ展開が非常に現代的。犯人探しの面白さ、ラストにかけてのスピード感、ミスディレクションの作り方などが巧み。ラストの罠を解いていく展開などが非常に上手い。これは、「インディ・ジョーンズ」を観ている世代の童話である。道具立ても非常に凝っている。三頭犬、「みぞの鏡」、魔法のホウキを使ったゲームのクィディッチなんていうのも奇抜な発想で面白い。これはインタビューで著者自身も言っていたけど、音感が楽しい。ボグワーツ魔法学校の校長がダンブルドア、森の番人ハグリッド、ハリーの仲間のロン・ウィーズリーハーマイオニー、最強の闇の魔法使いヴォルデモートなどなど。子供の言葉遊びは、語感だけでとても楽しくさせるという事は忘れていた気がする。