電子竹林:Blog

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「コンスタンティノープルの陥落」

塩野七生 新潮文庫。1452年、東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルを攻撃するオスマン・トルコ皇帝マホメッド二世。キリスト教世界とイスラム世界との覇権争い、そして歴史の大きなターニングポイントとなった戦いをリアルに描く。これもトルコへの旅行に行く前に読めばよかったのだけど、帰ってきてから読んだ。イスタンブールの地を訪れる前に読んでいれば、より歴史を感じられたと思うと残念。臨場感がある書き方でなかなか面白い。ガラタ塔の裏を船が山越えし金角湾にオスマントルコ軍の船が浮かぶのが見えるような気がし、城壁を破る大砲の音が聞こえるようである。これを読んでからならば、イスタンブールの軍事博物館ももっと面白く見られたかと思うと残念。塩野七生はエッセイ「イタリアからの手紙」しか読んだ事が無くて、あんまり好きじゃなかったけど、戦記物はもうちょっと読んでみたいと思った。