電子竹林:Blog

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「香水 - ある人殺しの物語」☆- Das Parfum - Patrick Suskind

パトリック・ジュースキント 池内紀文藝春秋初出の1988年に読んで、自分の中のその年のベスト1,2ぐらいだった記憶があるが、機会があって読み返す事にする。舞台は18世紀のパリ。まったく体臭が無いジャン=バティスト・グルヌイユは、その類いまれな嗅覚の才能を活かし、香りで人間を操るまでになる…。悪臭に満ちたパリの街、皮なめしのグルマル親方、調香師のバルディーニ、プロン・デュ・カンタルの山での暮らし、致死液説のタイヤード・エスピナス公などなど、再読ではディティールを堪能出来た。しかし、やはりラストは衝撃的。何度読んでも傑作。当時悪魔小説と言われた記憶がある…「悪魔には体臭が無い」って何が元だっけ??