電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「模倣犯」

森田芳光監督脚本、宮部みゆき原作、中居正広山崎努藤井隆津田寛治木村佳乃宮部みゆきの「模倣犯」の映画化。あの長く複雑な構成の原作では、かなり再構築して映画化すると思っていたけど、非常に素直に、原作の流れそのままに映画化していたのには驚いた。それなりには上手くまとめてあるとは思うのだけど。森田芳光の映画は基本的には好きだが、結論としてはこの映画は失敗だと思う。全編デジタルカメラによる撮影らしいが、新しもの好きの森田らしい遊びが随所にある。が、成功はしてない。そもそも、中居正広の演技で心の闇が表現出来るかというかというとかなり疑問。犯罪のドロドロした面は隠蔽されてしまっているし、スノッブな生活表現の薄っぺらさがかなり気になる。その中でも、藤井隆の好演だけは評価出来る。彼の自然な演技の姿には驚いた。山崎努は原作通りでいい味が出ているのも救い。原作に無い最後の花火(?)には抱腹絶倒、その後のエピソードは陳腐。