電子竹林:Blog

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「カーリーの歌」- Song of Kali - Dan Simmons

ダン・シモンズ 柿沼瑛子訳 早川文庫NV世界幻想文学大賞受賞。 主人公は詩人で編集者のロバート・ルーザック、 妻はインドからの移民のアムリタ、ヴィクトリアという娘が一人。インドの著名な詩人、ダースが生きている、さらに新作を書き上げているという話を聞きつけ、アムリタ、ヴィクトリアと共にカルカッタへ向かう。カルカッタは熱気、悪臭に満ちた悪夢の都市だった。カーリーを崇拝する教団が一家に魔手をのばす…。ダン・シモンズは器用で色々な作風を使い分けているが、これは幻想文学としてはかなり上手い。何しろカルカッタの描写が凄い。読んでいるだけで熱気、悪臭を感じられる目眩がしてくる。カルカッタは抹殺されるべき、街の上に巨大なキノコ雲が立ち上る日を心から待ち望んでいる、っていう最初のトコから凄い。なかなか面白かった。