電子竹林:Blog

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「ベクター -媒介」- Vector - Robin Cook

ロビン・クック 林克己訳 ハヤカワ文庫NVニューヨーク市観察員監察医のジャック・スティープルトン、ローリー・モンゴメリーのシリーズの一つ。旧ソ連で細菌兵器開発に携わり米国ではタクシー運転手となったユーリ、極右集団アーリア人民戦線は炭疽菌とポツリヌス菌によるテロを計画。ジャックは敷物商の不審な死体に疑問を持ち調査を始める…。クックはさすがに安心して読める。専門的知識を背景に、時事問題を上手く合わせた軽快な物語の展開は飽きさせない。今回は、都市での生物兵器テロというオウム真理教を連想させる題材だけに現実感がある。舞台がニューヨークというのも、9/11のテロを連想させてより緊張感がある。犯人は小者で間抜け、話の広がりは大きく無いってのはいつも通りのクックではあるが、楽しめた。