森田芳光監督、山本周五郎原作「日日平安」、角川春樹製作。ある夜、井坂伊織(松山ケンイチ)ら9人の若侍は次席家老黒藤(小林稔侍)と国許用人竹林(風間杜夫)らの汚職を正すために社殿に集まるが、そこに奥からヨレヨレの紋付袴の浪人(織田裕二)が現れる…。黒澤明1962年同名作品のリメイク。基本路線は黒澤作品と同じ。かなり研究の上で三船敏郎のコピーみたいに演じる織田裕二、そこはやっぱり織田裕二でしかない。全体に下手なコピーを観ているようで、これなら前作をリバイバル公開した方がマシ。もともとコメディ色が強い話で笑い所の受けはいいけど、台詞も演出も同じで出来はやや落ちる。加山雄三、田中邦衛、小林桂樹ほど脇役にも味が無いし。オリジナルと切り離して観れば、まあそこそこ面白いかも。客層は前作を知っているそうな年齢が多かったけど。前作を知っている人はラストの室戸半兵衛(豊川悦司)との対決が気になる所だろうど、まあ、そこはお楽しみに。
