マーティン・スコセッシ監督、ブライアン・セルズニック原作、 ジョン・ローガン脚本。1930年代のパリ、孤児のヒューゴ(エイサ・バターフィールド)はリヨン駅の時計台に隠れて住みながら、時計職人の父が残した機械人形の修理に熱中していた。ある時、駅構内のおもちゃ屋の老人ジョルジュ(ベン・キングズレー)に捕まり大事な手帳を取られてしまい、それを取り戻そうとヒューゴは少女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)に頼むが…。これは期待作だったが、それを超えた面白さ。大満足。日本では子供向けな宣伝をしているけど、子供が観て面白いかはよく分からない。映画を深く愛しているスコセッシならではの映画愛に包まれた作品。オープニングのパリの夜景からヒューゴへのワンカットのCGシーンも美しいが、その後の通路、歯車、梯子、滑り台の移動撮影には驚かされた。どうやって撮っているんだろう。色々な映画的な驚きの仕掛けが、商業映画の父、SFXの創始者のジョルジュ・メリエスへのオマージュに感じる。しかし、スコセッシはなんでもっと若い時にこういう映画を作らなかったんだろうか。
