電子竹林:Blog

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「奪命金」- Life Without Principle -

ジョニー・トー監督。銀行員テレサ(デニス・ホー)は成績のために高リスクの投資信託の販売に熱中する。刑事チョン(リッチー・レン)の妻はマンション購入を計画中。ヤクザのパンサー(ラウ・チンワン)は兄貴分の保釈金のために奔走していた。そんな頃、世界的な金融危機が起こり、そして強盗殺人事件が起きる…。2011年の映画だけど、「ドラッグ・ウォー」公開記念でやっと劇場で観られた。先の読めない展開がモノ凄くいい。時間と人間の交錯が実に巧みで、そこから浮かび上がる欲望の輪郭の描き方が見事。特にラウ・チンワンのキャラクタが凄い。この演技が出来るポジションの日本の俳優が思いつかない。これだけの傑作がメジャーに公開されない日本の映画ってどうなんだろう、と考えさせられる。