電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「ある過去の行方」- The Past -

アスガー・ファルハディ監督脚本。今はテヘランに住むアフマド(アリ・モサファ)は、マリ(ベレニス・ベジョ)との正式な離婚手続きのためにパリを訪れる。マリは現在の恋人サミール(タハール・ラヒム)とその息子、マリの長女リュシー(ポリーヌ・ビュルレ)、次女の四人で暮らしていたが、アフマドはリュシーの振る舞いに不自然さを感じる…。カンヌ主演女優賞。ミステリーなのか純粋な人間ドラマなのか、方向性が見えない展開に前半は戸惑ってしまった。後半は、そういう話なのかあという納得はするが。ラストにはモヤモヤ感が残る。全体に暗示的。このドラマを飽きさせずに見せてしまう監督の上手さは分かる。イラン人監督だからこそ出せる文化的な違いの面白さも感じるのだけど、何か不満感も残る。これは観客側である自分の技量の問題なのかもしれないが。

http://www.thepast-movie.jp