電子竹林:Blog

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「殿、利息でござる!」

中村義洋監督、磯田道史原作「無私の日本人」所収「穀田屋十三郎」。江戸中期、仙台藩は財政が逼迫、重税により領民は苦しい生活を送っていたが、特に小さな宿場町の吉岡宿は伝馬御合力が給付されず夜逃げが続いていた。商人・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)、菅原屋篤平治(瑛太)たちは千両を集め藩に貸し付ける計画を立て仲間を集めるが…。全体に中村義洋らしい冴えた感じはない。物語が長い年月にわたっているので展開がフラット、盛り上がりに欠けるか。人間関係の十三郎の弟の甚内(妻夫木聡)、父(山崎努)も平凡だし。そして官位昇進の金品、手伝普請による重税の元凶となった伊達重村(羽生結弦)が最後にちょっと出てきてなんかいい人になっているのはかなり違和感ある。同じ磯田道史原作の「武士の家計簿」(id:zom-1:20101204#p1)に続いて、古き良き日本人の美徳を狙った企画だろうけど、なんか納得できない。クレジットにパンチ佐藤の名前がエキストラぎりぎりの片隅のトコにあって、芸能界の厳しさを感じたよ^^;。

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