電子竹林:Blog

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「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」-The Man Who Killed Don Quixote-

テリー・ギリアム監督。スペインで撮影中の若手CM監督トビー(アダム・ドライバー)は、偶然に手にいれたDVDから、10年前の学生時代に撮った「ドン・キホーテを殺した男」の撮影地の村へ出かけることになる。そこで、ドン・キホーテを演じた靴職人ハビエル(ジョナサン・プライス)、アンジェリカ (ジョアナ・リベイロ)たちと再会するが…。ミゲル・デ・セルバンテスによる「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」、「ロスト・イン・ラ・マンチャ」に描かれる今までの障害の連続とギリアムの挫折(構想30年!)、今回の完成作、と考えてみると、この二重三重の虚構と狂気の複雑な構成はなかなかに複雑怪奇で面白い。理解しにくいかもしれない。ドン・キホーテという病がまるで感染するように広がっていく。一番感染して重症なのはギリアム監督自身なのかな。中盤ややダレる感じがするのがかなり残念なんだが、最後の盛り上げからラストまではスピード感も迫力もあっていいなあ。上司ボス(ステラン・スカルスガルド)、その妻ジャッキ(オルガ・キュリレンコ)、ウォッカ王ミシュキン(ジョルディ・モリャ)も怪しくていいキャラ。なによりアダム・ドライバーはよくギリアムに付き合って完成まで持っていったな^^。ジョニー・デップではこうは行かなかっただろう。

http://donquixote-movie.jp/