電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「朝が来る」

河瀬直美監督、辻村深月原作。栗原佐都子(永作博美)と夫・清和(井浦新)は一度は子供を持つことを諦めるが、浅見静恵(浅田美代子)が運営するベビー・バトンの特別養子縁組により中学生・片倉ひかり(蒔田彩珠)の子供、朝斗(佐藤令旺)を育てていた。朝斗が小学校に入る頃、佐都子は片倉ひかりを名乗る電話を受けるが…。原作未読だけど、映像化として上手い仕事なんじゃないかな。6歳の子供の育児の苦労から昔に戻って、養子を取る決心までの両親、さらに産みの親の人生と様々に視点変えていく。その中で小さなミステリー要素をちりばめて、謎を残して引っ張る脚本編集の手腕が見事。ヒューマンドラマとしても社会性もある。ドキュメンタリーみたいな演技、映像の作りは相変わらず冴えた感じ。普通に作ったらそれなりなヒューマンドラマにしかならなそうな気がするけど、それだけで終わらないのが河瀬直美のいい仕事だなあ。個人的には中島ひろ子の出番が多くて嬉しかった(「櫻の園」から30年かあ...)。ちなみに、エンドロールの最後の最後までちゃんと音声を聞いてないとダメ。

http://asagakuru-movie.jp/