電子竹林:Blog

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「罪の声」

土井裕泰監督、野木亜紀子脚本、塩田武士原作。平成が終わる頃、大日新聞大阪本社文化部の記者・阿久津(小栗旬)は31年前のギンガ萬堂事件の企画記事の応援要員となり、1983年のハイネケン社長誘拐事件との関係を調べるために英国に出張する。一方、京都のテーラー曽根(星野源)は母の入院をきっかけに父の遺品からカセットテープを見つけ、ギン萬事件に使われていた子供の声が自分である事を知るが…。原作読んでないのだけどこれは原作も面白いだろう。硬派、社会性もあり、複雑な事件を上手く解きほぐし消化して展開させ、かなり見応えがある。犯人たちの動機から行動、人間関係の細かい行動まで描き、グリコ森永事件の一つの推理の形も見せてくれる。カセットの声から始まり、犯人側の家族を中心に見せる所が上手い。事件の謎が解れていくほど、ヒューマンドラマとして強くなっていく。宇野祥平の存在がメチャクチャいい、これほど泣かせる演技をするとはちょっと驚いた。(細かいが、1984年にStylofaxの手帳を使う日本人、それもスリムリングってちょっとハイカラすぎる気もする)

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