電子竹林:Blog

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「コーダ あいのうた」-CODA-

シアン・ヘダー監督。高校生ルビー・ロッシ(エミリア・ジョーンズ)は家族の中で唯一の健聴者のため、家業の漁業も手伝う忙しい毎日。ある時、ルビーはマイルズ(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)に近づこうと合唱クラブに入部するが、顧問の先生により歌の才能を認められバークリー音楽大への進学を勧められる…。仏映画「エール!」のハリウッドリメイク。酪農から漁業へとか、元より分かりやすくメリハリをつけて派手目にしているのはいいかな。それでもハリウッド的な能天気さはちょっと気になるかな。漁業の落とし所とか、バークリーとか。それでもラストシーンの音楽は良い、これはオリジナルの力かな。個人的には、似たドイツ映画の「ビヨンド・サイレンス」の繊細な映像とカメラワークの方がやっぱり好きだなあ、と思ってしまった。特にラストシーンはずっと上だと思う。CODA/コーダは、Children of Deaf Adultsの意。実際に聴覚障害を持つ俳優を使っているのは意味がある。特に、母親役ジャッキー・ロッシ(マーリー・マトリン)の、ケンカごしの激しい手話を見て彼女主演の「愛は静けさの中に」を思い出した。映画初出演、史上最年少21歳、聴覚障害、これでアカデミー主演女優賞という凄い経歴なのに、その後に目立った作品がないというのは…やはり世の中はかなり厳しい。

https://gaga.ne.jp/coda/