電子竹林:Blog

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「視覚のトリック - だまし絵が語るしくみ」

R.N.シェパード 新曜社。だまし絵についてまとめた本。だまし絵の内容的な分類が多いが、パルテノン神殿の柱が錯覚のためにわざと反対側に曲げてある事や、15世紀から17世紀にかけてのルネッサンス後期のミケランジェロやボッロミーニといったローマの画家や建築家たちが、回廊や広場を造る時に、空間や材料による制限以上の奥行きや大きさに見えるように、遠近法の錯覚をうまく利用した事などの一般的利用の話もある。類書が少ないので、もっと応用の話も書いて欲しかった。著者が、脱眠時イメージ、入眠時イメージの幾何学的模様を、子供の頃からずっと記録し続けている所が凄い。