電子竹林:Blog

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「常識のウソ277」 ☆

ヴァルター・クレーマー、ゲッツ・トレンクラー。文春文庫タイトルから雑学エッセイ的なものを想像していたけど、まるっきり違っていた。非常に面白い。迷信、噂などなどいままで常識だと思われていたさまざまな話題の検証。原題を直訳すると「ポピュラーな間違い辞典」だとという。ドイツでは二十万部を越えるベストセラーになり続編も出るというのに、日本ではまったく話題になってない。非常に面白い本なのに残念。著者のヴァルター・クレーマーはドルトムント大学経済学・社会統計学の教授、ゲッツ・トレンクラーは同大学の統計学の教授。「はじめに」に名前が出てくるマーティン・ガードナー(「奇妙な論理」の著者)の様なスタンスを感じる。「喫煙者は保健医療費を増大させている」という常識を覆す説明手腕は見事だし、「エイズ検査を国民全体に受けさせれば医学人道両面で破滅的事態になる」なんて話は専門である統計の妙、ダイエットなど身近な話題にも意外な間違いが多い。実際、面白いんだけど、全部の内容を理解するのはなかなか頭が必要な気がする(^^;)。