電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「クリムゾンの迷宮」

貴志祐介角川ホラー文庫貴志祐介は「黒い家」が面白かっただけに、単純に無視出来ない気がする…。これは角川ホラー文庫向けの書き下ろし。記憶が曖昧なまま、深紅色の岩石の世界で目覚める。目的も判らないままにサバイバル・ゲームが始まる。展開は思った通りで、意外性はなかったけど、まあ読ませる力はある。文章はちょっと稚拙だけど。取材した情報を入れる努力をしているのは判るんだけど、どうも知識が物語から浮き上がって見える。例えば映画監督やサバイバルや宝石商や、常に新たな知識を入れ込んでくるディック・フランシスでも、知識というものを非常にうまくストーリに組み込んでいき、そこに必然性がある。