電子竹林:Blog

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「悪童日記」-Le Grand Cahier- Agota Kristof

アゴタ・クリストフ 早川書房時代背景や場所は明らかにはしてないが、オーストリアに近い国境付近のハンガリーの田舎町、二次大戦の終わり頃、主人公の双子の子供の日記風の構成になっている。著者はハンガリー動乱を機に西側へ亡命している。全体が20世紀のヨーロッパの歴史を象徴している寓話のような感じ。政治的な背景を憶測して読むと面白い。それを抜きに単なる物語として読むとよく判らないかも。まあまあな面白さか。これは三部作の最初で、「ふたりの証拠」「第三の嘘」と続いている。