電子竹林:Blog

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「わたしたちはなぜ科学にだまされるのか インチキ!ブードゥ・サイエンス」

Voodoo Science: The Road from Foolishness to Fraud - Robert。L. Parkロバート.L.パーク 栗木さつき訳主婦の友社物理学会のホームページ、雑誌、新聞に著者が書いてる「ブードゥ・サイエンス」(邪悪な科学)に関するエッセイを一冊にまとめたもの。ホメオパシーロズウェル事件、ジョー・ニューマンの永久機関、などニセ科学ものによく出てくるネタもあれば、地球温暖化論争、電磁波論争など科学的論争のモノもあり、また宇宙開発の実態、常温核融合騒ぎ、スターウォーズ計画などをスパっと切っている論調も面白い。パークは、ブードゥ・サイエンスを次の3つに分類している。病的科学=科学者が自分で自分をだます科学、ジャンク科学 =司法関係者の科学の知識が浅い事につけこみ、集団訴訟で企業を食い物にする集団訴訟科学、ニセ科学=詐欺で金儲けをたくらむ詐欺科学。次の話が傑作。子供時代に本で読んだ「アライグマが食物を洗うのは唾液腺が無いから」という豆知識を大人になるまで信じていたが、大人になってビスケットに群がってきたアライグマはよだれを垂らして集まってきた…。教訓「ある理論がどれほともっともらしく聞こえても、最後に決断を下すのは実験である」。心理学者ジェームズ・オールコックの「信じたがる脳」という考え方も面白い。