電子竹林:Blog

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「妻を帽子とまちがえた男」 サックス・コレクション☆- The Man Who Mistook His Wife For A Hat- Oliver Sacksオ

リバー・サックス高見幸郎/金沢泰子訳 晶文社「火星の人類学者」と同じ様な、脳の障害による不可思議な症例。色々な症例が出ているが、どれも脳、認知、そして人間自身の不思議さを感じさせる。「火星の人類学者」と同じ様に、サックスの暖かい視点がいい。喪失、過剰、移行、純真の四部構成、24の章。特に印象的だったのは、左という概念を失い、左半分がまるで判らなくなった「右向け、右!」。認知とはまったく不思議である。脊髄を抜かれた様な感覚、自分の体の「固有感覚」を失う「からだのないクリスチーナ」は、ビタミン剤狂信者のビタミンB6(ピリドキシン)多量摂取により増えているらしい。