電子竹林:Blog

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「ラストオーダー」- Last Orders - Graham Swift

グレアム・スウィフト 真野泰訳 中央公論社1990年4月2日、ロンドン下町のバーモンジー地区、パブ「馬車亭」。今年69歳になる男三人が集まる。くず鉄屋の息子で元保健会社の社員のレイ、元ボクサーの八百屋のレニー、葬儀屋のヴィック。「自分の遺灰をマーゲイトの桟橋から海にほうってくれ」という肉屋のジャックの遺言を果たすため、ジャックの息子のヴィンスのベンツSクラスに乗り、四人はマーゲイトに向かう…。道中でのそれぞれの想い出話が中心、それぞれは面白くしんみりさせたり笑わせたり、人生を振り返る様の描写は上手いのだけど、どうにもまとまりが無い話で、そのペースは最後まで変わらずでなんとなくラストを迎える。なんか物足りなかった。1996年度ブッカー賞受賞。