電子竹林:Blog

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「武士の一分」

山田洋次監督、藤沢周平原作「盲目剣谺返し」。近習組に努める三十石の下級武士、三村新之丞(木村拓哉)は剣術を極め、秀才でありながらも現在の役目は毒味役。美しく気立てのいい妻・加世(檀れい)と暮らす三村であったが、ある日、毒味の後に激しい痛みに意識を失う…。真田広之たそがれ清兵衛」、永瀬正敏隠し剣 鬼の爪」と山田洋次の初時代劇から二本連続のヒットは奇跡的。三部作最後の主演が木村拓哉とは驚いたが、これで成功すればホントに奇跡だと思ったが、三度目の奇跡は無かった。キムタク然とした出だしの演技にガックリと来たが、それでも後半の鬼気迫る顔を観ると木村拓哉を使った理由は多少分かる。周りが上手いだけに演技の下手さが目立って辛い。殺陣はかなり頑張っている感じがするが、ラストの対決はイマイチ盛り上がらなかったか。三部作通じての恋愛モノという面もあるのだけど、ちょっと弱い。前作での宮沢りえ松たか子に比べるとヒロインの宝塚出身・檀れいは映画初主演で経験不足かと思ったが、意外に立派な存在感を出している。脇役では笹野高史がいい味のアクセント。敵役の坂東三津五郎は面白みが無かった。

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