電子竹林:Blog

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「シッコ」- Sicko -

マイケル・ムーア監督脚本のドキュメンタリー。米国の保険充実度は世界37位、保険に入っていてもHMO(健康維持機構)のシステムにより難癖をつけられ保険が支払われない、大病になれば病死か破産かの現実。さらにカナダ、フランス、英国、キューバの保険制度を調査体験しに行く…。「ボウリング・フォー・コロンバイン」、「華氏911」(id:zom-1:20040821#p1)よりも撮影や編集の腕も上がっている。敵が不明確で大人しく毒も弱いが、米国の保険制度という目のつけどころはなかなか良かった。社会問題の嗅覚では飛び抜けている(数年後の日本の予測でもある)TV番組60ミニッツ(日本ではCBSドキュメント)でもここ数年保険問題は多く取り上げられていて、実際、同じ人物へのインタビューもあった。ラストの方の盛り上げは上手く、911救助員たちの後遺症の悲惨な状態と、キューバのシーンはかなり感動的。ヒラリー・クリントンによる国民保険制度を1994年に廃案に追い込んだのは、総保険=社会主義というネガティブ・キャンペーンだったというのは驚き。

http://sicko.gyao.jp/