電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「夕凪の街 桜の国」

佐々部清監督、こうの史代原作。原爆投下から13年後の1958年広島、原爆により家族を失った平野皆美(麻生久美子)は母フジミ(藤村志保)と共に暮らす。半世紀後、現代の東京に暮らす皆美の弟の石川旭(堺正章)は家族に黙って広島へ出かけるが、心配した娘の七波(田中麗奈)はその後をつける…。原作は文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した時に読んだ。映像化のベタな表現の甘さあるし、分かりやすくし過ぎな印象はあるものの物語の力は極めて強い。原爆という圧倒的な暴力の前に13年経ってもその意味を理解出来ず、話題にする事無く生き続けて行く市井の人という姿が余りに悲しい。その暴力が半世紀を経てもなお力を持ち続ける切なさ。若い人に観て欲しい映画。井伏鱒二「黒い雨」でも読み返えしてみようか。(追記:原作を読む→id:zom-1:20070909#p5)

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