電子竹林:Blog

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「ゼロの焦点」

犬童一心監督、松本清張原作。昭和38年、見合いによる結婚から七日目、以前の勤務地である金沢へ戻った鵜原憲一(西島秀俊)は予定の日になっても戻らなかった。妻の禎子(広末涼子)は金沢へ向かい、得意先の室田耐火煉瓦会社の社長夫人である佐知子(中谷美紀)と受付の田沼久子(木村多江)と出会う…。松本清張生誕100年記念。原作は1958-1960年、映画化は1961年野村芳太郎監督で、まだ内容がリアルな時代だったが、パンパンという言葉自体も忘れ去られている今の時代にはどう受け取られるのだろうか。推理モノとしてはともかく、社会的な背景が重要なので、あえてそのままで映画化をしているのは評価したい。ただ俳優も演出も平凡ではある。野村芳太郎版の北陸の暗い空は、心底ここには住みたくないなと思わせたが(東京の人はみんな思った)、やっぱり同じ事を思った。舞台の一部である立川で観てちょっとシンクロ感。

http://www.zero-focus.jp/