電子竹林:Blog

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「冷たい熱帯魚」

園子温監督。静岡県で小さな熱帯魚店を経営する社本信行(吹越満)は亡くなった前妻との娘・美津子(梶原ひかり)と再婚した妻・妙子(神楽坂恵)との三人暮らし。ある時、万引きをきっかけに社本は大型熱帯魚店を経営する村田(でんでん)と知り合い、美津子は村田の店でバイトをすることになる。村田と妻・愛子(黒沢あすか)の夫婦と社本は親しく付き合うようになるが…。1993年の埼玉愛犬家連続殺人事件をベースとしたもの。園子温っぽい雑さはあるんだけど、そこも勢いになっている。残忍さと事件の強烈さ以上に、いやいやながらも従ってしまう心理の奥底が恐ろしい。でんでんのどっか抜けた演技もいかにもいそうな人物で怖い。「ボディを透明にする」の台詞が秀逸。最後の方は近松門左衛門女殺油地獄」の血液版みたいな凄まじさがあった。人に積極的に勧められる映画じゃないけど、心にずっとひっかかりそうな映画ではある。実際事件ベースの「家賃3部作」の第1作目がこれ。二作目は「恋の罪」(id:zom-1:20111201#p1)。

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