三木聡監督脚本、星野智幸原作。カメラマンの夢を諦めて郊外の家電量販店に勤める均(亀梨和也)は、職場では上司のタジマ(加瀬亮)にいびられる日々。ある時、偶然にオレオレ詐欺で大金を手に入れた均の前に、見知らぬ女(高橋恵子)が母と名乗り現れ、さらにスーツ姿のもう一人の均が現れるが…。原作は大江健三郎賞受賞作、未読。設定自体は面白そうなのに、全体には何故かノリが悪い。主役の演技とキャラが平凡なせいなのか分からないが。三木聡は「図鑑に載ってない虫」みたいなぶっ飛んだノリを期待しているのに。三木作品常連のふえせりも、全体の中では浮いてしまっていたし、内田有紀も面白みがない。前半の不条理感とコメディ感、後半の不気味感が上手く出ていれば面白い話だと思うのだけど。
