電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「ザ・トライブ」

ミロスラブ・スラボシュピツキー監督脚本。寮制の聾学校に入学したセルゲイ(グリゴリー・フェセンコ)、そこは組織により暴力、恐喝、売春が日常化した世界。やがて頭角を現すセルゲイは、リーダーの愛人アナ(ヤナ・ノビコバ)と親しくなっていくが…。聾唖の登場人物、全編が手話のみで声のセリフ無し、字幕も吹き替えも無し。観客は人物の会話(手話)は分からないが、観客は登場人物たちが聞こえない音が聞こえているという不思議な感覚。音の編集が繊細で、すごく鋭い。登場人物が音に無頓着なのは、ラストに効果的に使われている。映像もワンシーンワンカットで、スティディカムの長回しが見事な効果を作り上げている。雪の坂をスティディカムで滑り降りるなどの荒技も見事。見る人を選びそうな映画だけど、印象的な映画。

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