電子竹林:Blog

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「怒り」

李相日監督脚本、吉田修一原作。「怒」の血文字が残された八王子夫婦殺人事件から一年、千葉の漁港では家出していた愛子(宮崎あおい)が父の洋平(渡辺謙)に連れ戻されアルバイトの田代(松山ケンイチ)と出会う。東京の会社員・優馬(妻夫木聡)は同性愛の直人(綾野剛)と出会い、沖縄では越してきたばかりの泉(広瀬すず)が辰也(佐久本宝)の船で連れて行かれた無人島でキャンプする田中信吾(森山未來)と出会うが…。「悪人」(id:zom-1:20100918#p1)の監督と原作のタッグには期待があったが予想通りの良さ。怒りというよりは観客は絶望的な悲しみに突き落とされる話。爽快感ゼロではあるが犯人は一体誰かという推理モノ的な展開もかなり引きつけられる。原作未読ではあるけど、似ているような似ていないような、顔という主観が入りやすい映像の使い方は原作以上に上手く表現出来ているのではないかなあ。役者の芝居合戦もなかなかか見どころではある。

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