電子竹林:Blog

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「Arc アーク」

石川慶監督、ケン・リュウ原作「円弧(アーク)」。生まれたばかりの息子を置いて両親の元を離れ放浪生活を続けたリナ(芳根京子)は、偶然に出会ったエマ(寺島しのぶ)の会社で働くことになる。リナは、エマの遺体を保存するボディワークという仕事を手伝い、やがてエマの弟・天音(岡田将生)が研究する不老不死の処置を受ける人類最初の人間となるが…。ケン・リュウは全般的に好きだが、この原作となったのは短編でかなり想像力を膨らませないと見せ場は無いし、映画としては難しい気がしていた。結果的にはケン・リュウの、普遍的なザラついた生活感というかリアル感は薄く単に日本のどっかのドラマにしか見えない。そこにあるSF的な、神のような達観した視点もまるで感じられない。芳根京子の演技で、最初の5分でそこは諦めた。寺島しのぶもイマイチ。前日に原作を再読してしまったのでどうしても比較になってしまうのだが、なんとも残念。後半の島の設定も凡庸、普通のドラマとしても面白みは薄い。そもそも日本には100歳以上が8万人いるわけで、137歳の人間では未来感ないよなあ。倍賞千恵子は150歳ぐらいに見えたが。

https://wwws.warnerbros.co.jp/arc-movie/