電子竹林:Blog

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「母の聖戦」-La Civil-

テオドラ・アナ・ミハイ監督。メキシコ北部の町、シエロ(アルセリア・ラミレス)は一人で娘ラウラ(デニッセ・アスピルクエタ)を育てていたが、ラウラを犯罪組織に誘拐されてしまう。シエロは前夫グスタボ(アルバロ・ゲレロ)とともに身代金を工面し、また軍のパトロール部隊ラマルケ中尉(ホルヘ・A・ヒメネス)と協力しようとするが…。実話がベース、最初はドキュメンタリーを考えていたらしい。弱い立場ながらに執拗に真実を追い求める強い母の姿に、観客は誰しも共感していくだろう。それだけにラストの方は無力感だけが残ってしまって後味は悪い。これが現実なのかもしれないが、結構つらい映画ではある。いや、現実はもっと悲惨で、元になった実在の母親は自宅の前で殺されている。なんとも辛い話だ。2021年東京国際映画祭コンペの審査員特別賞。

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