電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」-Everything Everywhere All at Once-

ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート監督。エヴリン・ワン(ミシェル・ヨー)の経営するコインランドリーは破産寸前、頼りにならないの夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)、反抗的な娘のジョイ(ステファニー・スー)、ボケ気味で車椅子の父親ゴンゴン(ジェームズ・ホン)と問題だらけ。エヴリンはIRSの監察官ディアドラ(ジェイミー・リー・カーティス)との面談中、突然に別の宇宙から来た夫ウェイモンドから、全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す使命を与えられるが…。安直な設定としてのマルチバースもの(ほとんどアメコミものだが)が多い昨今、マルチバース自体をメタファーとして使って、人生を俯瞰させる哲学的な全体の構成は見事。スピード感があり、随所の笑いポイントも上手い。この膨大なシーン数をよく撮ったなとちょっと感動。石のシーンとか、おふざけには見えるけど、一番、哲学的なシーンかもしれない。ミシェール・ヨー、頑張ってるな。ミシェル・キング名義の「ポリス・ストーリー3」、「東方三侠」の時代から随分と経ってアジア人初のアカデミー賞主演女優賞、これだけ一線で活躍しているのは素晴らしい。

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