中川駿監督脚本、朝井リョウ原作。校舎の取り壊し前の高校、卒業式の前日。進学のため上京するバスケ部長・由貴(小野莉奈)は、地元に残る恋人・賢介(宇佐卓真)との関係が気まずく、軽音部長の杏子(小宮山莉渚)は卒業ライブを前に幼馴染でヘブンズドアのボーカル・剛士(佐藤緋美)を気にかけ、クラスに馴染めない詩織(中井友望)は坂口先生(藤原季節)のいる図書室で過ごす。そして卒業生代表の答辞の山城まなみ(河合優実)は、お弁当を作り続ける相手の佐藤駿(窪塚愛流)へ想いを伝えずにいた…。パスしようかと思ったが、なんか評判いいので観てみた。朝井リョウの原作未読。女子高生の群像劇というとどうしても「櫻の園」と比較してしまうが、これもなかなか良かった。ちょっとバラバラすぎて、まとまりがない気はするが上手く流れを作っている。原作は短編連作らしいが、うまく再構成して、謎の作り方と引っ張り方は巧みだし、いいテンポが出ている。卒業式とその前日という、舞台の作り方も誰しもが共感できる設定。「愛なのに」でも印象的な河合優実がいいな。
