電子竹林:Blog

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「アダルト・チルドレンと共依存」

緒方明 誠信書房。一般読者を対象にしたものではなく、研究書としてまとまっている。読者対処は明らかに、心理学、精神医学、行動科学などの専門家である。対象が専門家であっても、よくまとまっているし、他の一般図書が、共依存について解説が詳しくないだけに、この本の価値は高い。共依存については成因から、特に学校、家族、会社などの社会文化的背景にまで言及してまとめているのが面白い。ただし、治療については詳しくない。対象が専門家である事から、逆に専門家がどうアダルト・チルドレンを見ているかの参考にもなる。著者は、アダルト・チルドレンを「臨床単位」とは認めないが、「治療概念」「治療単位」として扱い、その有用性を認めている。嗜癖(アディクション)に、アルコール嗜癖やギャンブル嗜癖摂食障害と並んで、「読書嗜癖」というのがあるのがショックだった(^^;)。いずれは「映画嗜癖」というのも並ぶのだろうか…。