電子竹林:Blog

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「アクセプタブル・リスク -許容量-」- Acceptable Risk - Robin Cook

ロビン・クックハヤカワ文庫NVロビン・クックの新刊を追っかけてたのは、11作目の「ブラインドサイト」あたりまで。久しぶりの、この「アクセプタブル・リスク」はクックの15作目。ロビン・クックは、いつも完成度としては高く安心出来る。面白かった。セーラムにおける300年前の魔女裁判の原因が麦角による中毒と考え、そこから新薬を作り出そうとするエドワード。その恋人であるキムは、魔女裁判の犠牲となったエリザベスの子孫で、祖先の汚名をはらそうとする…。ストーリに意外性という面は少ないが、新薬を作ろうと躍起になる化学者の拝金主義を批判する目がいい。マッドサイエンティストっぽさが、かなり恐い。脳の基幹と原始化というと「アルダート・ステーツ」を連想させた。後半の舞台設定からして、怪奇幻想ゴシック趣味を出そうとしているのかと思ったが、その辺は活かされていない。