電子竹林:Blog

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「盤上の敵」

北村薫 講談社小説現代増刊「メフィスト」98/5,98/10,98/12,99/5,99/9に連載。結構短い小説だし、これを連載で読むとかったるいかも。主人公はTV番組制作会社のディレクター末永純一(白のキング)、その妻の友貴子(白のクィーン)、この二人の視点で物語は進む。猟銃を持って逃走中の犯人が黒のキング。チェスの盤面に見立てた展開。 話そのものよりも、物語の構造が面白い。読者を欺くという点では叙述ミステリに陥りそうな所を、軽く流してラストにひっぱっている所は上手い。 北村薫と言えば、少女に冷たい感じがしているのだけど、やはり友貴子の少女時代の描き方に感じる。あんまり好きではない。