クリストファー・ノーラン監督。ゴッサム・シティに現れた冷酷な犯罪者ジョーカー(ヒース・レジャー)はバットマン(クリスチャン・ベール)を追いつめていく。バットマンもジム・ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)、レイチェルの新恋人で地方検事のデント(アーロン・エッカート)と協力し対抗するが…。「バットマン ビギンズ」(id:zom-1:20050708#p1)の、ティム・バートン版をチャラにした新シリーズという意気込みはよかった。今回、展開がやや複雑で全体のテーマが不明確になっている。ジョーカーの"バットマンは自警団"という問いかけ、タイトルである”Dark Knight"、前作でもポイントとなっていた曖昧な善悪の境界、と面白いテーマなのにエピソードの消化で手一杯。テーマに集中出来ていないのが残念。携帯電話網を使ったハイテク新兵器もちょっと微妙。ヒース・レジャーのジョーカーはジャック・ニコルソンのよりは好き。これが遺作になるかと思ったら、ギリアム監督「パルナッサス博士の想像力」は完成させるようだ。
