電子竹林:Blog

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「パンドラの匣」

冨永昌敬監督脚本編集、太宰治原作。1945年敗戦後、新しい時代の"新しい男"に生まれ変わる決意をした利助(染谷将太)だったが、喀血により結核療養所の健康道場に入る。そこは患者を塾生、看護婦を助手と呼び、鍛錬や摩擦などで健康法を実践し、お互いをあだ名で呼び合う風変わりな場所。利助はひばりと呼ばれる。ひばりの友人つくし(窪塚洋介)が退場、入れ替わりに助手マア坊(仲里依紗)たちの組長(看護婦長)竹さん(川上未映子)がやって来るが…。原作未読。全編に不思議な、独特の雰囲気を持った世界が広がる。ちょっとありえないような不思議な場所。その感覚がなんとも心地よい。音楽、映像もそれにあった空気感を演出している。仲里依紗川上未映子が非常に魅力的。川上未映子はとても芥川賞作家とは思えない。調べてみると1947年吉村廉「看護婦の日記」が同じ原作らしい。同時代で撮った映像作品、これも観てみたい。その前に原作も読んでみないと。

http://www.pandoranohako.com/