スティーヴン・ナイト監督脚本。元軍曹ジョゼフ(ジェイソン・ステイサム)はアフガニスタンで犯した罪から脱走、ロンドンでホームレスとなり酒とクスリに溺れた生活を送っていた。ある時、街のチンピラから逃げ込んだ家を使い、中国系マフィアのチョイ(ベネディクト・ウォン)の元で働く事になる…。「イースタン・プロミス」(id:zom-1:20090524#p2)の脚本家の初監督作品。オリジナルな脚本は評価したいし、ロンドンのホームレスの一割が元軍人という事実から話を膨らませているのも興味深い。それでも、ステイサム主役にして落ちぶれた元軍人というパターンから抜けていないのは気になる。ステイサムが高級スーツに高級車というのも見飽きた。シスター・クリスティナ役のポーランドの女優アガタ・ブゼクの、若い頃のミア・ファローみたいな不安定な精神を描き出す演技は見所。タイトルのハミングバードは無人偵察機の通称で、兵士を常に監視する昆虫サイズ監視装置の伝説でもある。全体には、パターンに落ち入らなければ面白くなる要素は沢山あったのになあ、という感想。
