電子竹林:Blog

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「紙の月」

吉田大八監督、早船歌江子脚本、角田光代原作。1994年、銀行の契約社員として働く主婦の梅澤梨花(宮沢りえ)は夫(田辺誠一)と二人暮らし。ある時、取引先の資産家の孫、大学生の光太(池松壮亮)と出会うが…。原作未読。横領事件の過程の描き方がじっくりと丁寧で、ゆっくりとその心理に納得していってしまう。誰しもの心の中にある、その臨界点を意識させる。銀行の中の描き方も、リアル感があってその緊張感が映像から伝わる。映画オリジナルのキャラクタらしい先輩の小林聡美の存在感は対比として活きている。全体にさすが吉田大八の演出と思わせる。

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