クリント・イーストウッド監督、クリス・カイル原作「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」。幼い頃から狩猟で射撃の腕を磨いたクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は1998年米国大使館爆破事件をきっかけに海軍に志願、特殊部隊ネイビー・シールズに配属される。2001年同時多発テロののち、戦地へ派遣され戦地では"伝説(Legend)と呼ばれるが、敵からは懸賞金をかけられる。そしてオリンピック選手の敵スナイパー"ムスタファ"と遭遇することになるが…。押さえた演出の展開が相変わらず上手いのはさすがにイーストウッド、出だしから引き込まれる。ラストまでは善悪を曖昧にし、主人公の苦悩も上手く描いているのにラストからエンドロールで一気に愛国寄りになる。まあバランスなのかもしれないけど、かなり違和感があるなあ。そこまでは良かったのだけど。個人的にはそこで台無しにしていると思うけど、多分米国人はここで感動しているんだろうなあ。ヒーローと言いながら子供、女性までもを標的にしている主人公の描写の意味がなくなってしまうじゃん。
