原田眞人監督、半藤一利原作。1945年4月、昭和天皇(本木雅弘)の信任が厚い鈴木貫太郎(山崎努)が首相に推薦され、阿南(役所広司)は陸軍大臣に着く。8月15日正午、ラジオの玉音放送を通じてポツダム宣言の受諾を知らせる事となるが、前日に反発した畑中陸軍少佐(松坂桃李)たちは宮城を占拠する…。'67年岡本喜八版も白黒の映像が重厚でそれぞれの役者も気合が入っていて良かったけど、今回の原田版の方が好きかも。鈴木内閣の組閣から人物や出来事を整理しながら、それぞれの性格付けをきちんと描き、エピソードも短いながらピシっと決まっていて軽快。戦後70年にふさわしい映画。やはり岡本喜八版では出来なかった、昭和天皇をキチンと描くのに成功しているのが見どころ。本木雅弘もよく応えた演技をしていると思う。昭和天皇まわりのエピソードはそれぞれ素晴らしく冴えている。役者の比較は、総理:笠智衆→山崎努、阿南:三船敏郎→役所広司、昭和天皇: 松本幸四郎→本木雅弘、迫水:加藤武→堤真一、畑中少佐:黒沢年男→松坂桃李。堤真一の迫水もアクセントになっていていい感じだった。