電子竹林:Blog

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「リップヴァンウィンクルの花嫁」

岩井俊二監督。派遣教員の皆川七海(黒木華)はSNSで知り合った鉄也と結婚が決まるが、参列者の数合わせのためになんでも屋の安室(綾野剛)に代理参加者を依頼して式を挙げる。新婚早々のトラブルで七海は家を追い出され、月給100万円で里中真白(Cocco)と住み込みメイドの仕事をすることになるが…。3時間を感じさせない巧みな展開、岩井俊二では[「リリイ・シュシュのすべて」](https://zom-1.hatenablog.com/entry/2001/10/01/000004)みたいな構成感。善と悪、幸福と不幸で切り取った人生のシルエットが美しい。今の日本では数少ない女優らしい女優、黒木華の代表作は「小さいおうち」(id:zom-1:20140209#p1)からコレになったかもしれない。人生にもがきながら何とか生きていく様を綺麗な輪郭で描き出している。「リップ・ヴァン・ウィンクル」と言えば(19世紀の方の)アーヴィングの短編だけど、この名前を初めて聞いたのは、松田優作の「野獣死すべし」の中だった。

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