電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「カセットテープ・ダイアリーズ」-Blinded by the Light-

グリンダ・チャーダ監督、サルフラズ・マンズール原作「Greetings from Bury Park: Race, Religion and Rock N’ Roll」。1987年、英国の田舎町ルートン。パキスタン移民の息子ジャベド(ビベイク・カルラ)は、父(クルビンダー・ギール)の保守的な価値観、街の人種差別に耐えながらも好きな詩や作文を続けていた。気になる同級生、イライザ(ネル・ウィリアムズ)にも声をかけられない日々。ある時、偶然に同級生から教えられたブルース・スプリングスティーンの音楽に衝撃を受けるが…。原作者の実話がベースらしい。1987年英国の田舎でブルース・スプリングスティーンというズレ感は面白い。流行遅れなだけに、その歌詞のメッセージ自体がストレートに入ってくるって感覚はわかる。歌詞の内容と自分の気持ちがシンクロする表現は上手い。が、日本人には直接的には分からない感じがもどかしい。人種間、世代間のズレと交錯し、変化していく気持ちがうまくまとまっている。地味だけどいい話ではある。原題はスプリングスティーンの1973年の曲名。

http://cassette-diary.jp/