松居大悟監督。2021年7月26日、この日34回目の誕生日の照生(池松壮亮)はいつものように高円寺の劇場で照明係をしていたが、もともとはダンサーで怪我でその道を諦めていた。また同じ日、タクシードライバーの葉(伊藤沙莉)はコロナ禍の東京を走っていたが…。単純な恋愛物語ではあるが、会話とか時間の作り方とか何気ないところが気がきいている。同じ7月26日を遡っていくという手法は、新鮮ではないが効果的には働いている。特に、コロナ前後での変化が見られるのは今だとかなり共感できる。優しい雰囲気の映画だが、リアルは厳しいと思わせるトコもある。去年の東京国際映画祭の観客賞。ジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」を着想とした曲からの映画というけど、ちょっと使い過ぎているところが多い印象だなあ。伊藤沙莉はなかなか独特の雰囲気を出していて、いい感じ。
